エッセイブログ

『となりのトトロ』と親の視点

こんにちは、ライターの小澤まみです。


昨年のクリスマス、両親が『となりのトトロ』のDVDを娘にプレゼントしてくれました。

最初の頃は、トトロが出てくるまでに飽きてしまっていた娘も、今ではトトロが大好きに。1日に何回見るんだ?というくらい、毎日飽きずに見ています。

かくいう私も子どもの頃、トトロが大好きで、ビデオが擦り切れるまで見ていたそうです。世代を超えて愛され続けるジブリって、やっぱりすごい。

昔は、ただただ楽しく見ていた『となりのトトロ』。親になったら、視点が変わりました。

憧れだった広い庭は、目が届かないから、こんなに広くなくていいやと思ったり。

わがままだと思っていたメイを、「子どもってあんな感じよね」と笑えるようになりました。好奇心旺盛で、興味や関心の赴くままに行動する姿は、ハラハラするけど見飽きません。

むしろ、聞き分けの良いサツキの方が気になります。長女の見本みたいで、同じく長女の私は、サツキみたいになりたかったけれど。サツキの母親も言っていましたが、親の立場からすると、良い子すぎて心配。

サツキとメイがバス停でお父さんを待っているシーンは、不安で仕方ない。人通りも少ないし、子どもだけで夜の外出なんて…私がお父さんなら、「家で待ってなさい!」と絶対に怒ります。

メイがお母さんの入院している病院へ行こうとして、迷子になったシーンはもうダメ。サツキやおばあちゃんたちが、必死で探している姿が辛くて辛くて。池でサンダルが見つかった時は、胸が張り裂けそうになります。だから、わかっていても、サツキとメイが再会した時は、心の底からホッとするんです。ラストのおばあちゃんとの再会では、毎回ハンカチ必須。

子どもの頃みたいに、純粋に楽しむことができなくなってしまったのは寂しいですが…親になった今、他のジブリ作品はどういう感情や視点で見るだろう。子どもの頃から好きな作品も、年齢や立場が変われば全然違う作品みたいになるので、新たな楽しみができました。

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