阪急沿線を離れて京都小旅(こたび)をしてきました。
梨木神社から京都御苑と反対側に出るとすぐ目の前にある廬山寺は、紫式部ゆかりのお寺です。
当時は藤原氏の邸宅で、紫式部はこちらで結婚生活を送り、子供を育て、「源氏物語」を執筆したと言われています。
さらに「源氏物語」だけでなく「紫式部日記」や「紫式部集」も執筆したため、盧山寺は世界文学発祥の地でもあります。
境内には紫式部が幼馴染に向けて詠まれた歌が記されていました。
『めくりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半(よは)の月かな』
久しぶりに会ったのにすぐに帰ってしまったことを嘆いた歌で、幼馴染が男か女なのかもわからないそうです。
私は女友達なんじゃないかなと考えています。
お喋りに夢中になって、あっという間に時間になってしまったことを、このように表現したのではないかと深読み。
本当は6月〜9月末までの桔梗の季節がベストだと思うのですが、盧山寺に来た目的は「源氏庭」を見ることです。
考古学者の角田文衛博士によって考証され、紫式部が生きていたころの様子を再現したものです。
白砂と苔で平安朝の「感」を表現していて、白色と緑色のコントラストがとてもきれいでした。
紫式部も見たであろう景色。
こんなに静かで落ち着ける場所で、どうしてあんなに複雑な物語が書けたのかな…
元々京都が好きでよく行っていましたが、新しい時代になり、より歴史に触れたいと思うようになりました。
〝知る〟というだけでも心は満たされますが、これからももっともっと足を運んで自分の目で見て感じていきたいです。
〈廬山寺(ろさんじ)〉
住所:上京区寺町通広小路上ル北之辺町397
時間:9:00~16:00
拝観料:大人500円 小中学生400円
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線「丸太町駅」より徒歩20分
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