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〈綿谷りさ〉勝手にふるえてろ

映画を観た友人から「面白かった!」と教えてもらったので、私は原作を読んでみました。

26歳のOL、ヨシカには2人の彼氏がいます。

と言っても、1人は中学時代から片思いしている脳内彼氏のイチ。

ほとんど話したこともありませんが、いや、だからこそ妄想が止まらず12年も脳内恋愛を楽しめたのかもしれません。

そしてもう1人は同じ職場の営業マンの二。

”二”とはヨシカが勝手に付けたあだ名で、本名は別にあります。

脳内恋愛以外は恋愛経験のないヨシカ。

生まれて初めての告白に喜びますが、「好きな人」と「好きになってくれる人」の間で心が揺れ動きます。

同窓会でイチと再会したこともあり、さらにイチへの思いが募りますが、二の猛烈なアタックにとりあえず付き合ってみることにしたのです。

ヨシカのこじらせ具合がイタイのですが、最初からヨシカワールド全開ですぐに引き込まれてしまいました。

まぁ、片思い中って少なからずこじらせますよね…

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「好きな人」と「好きになってくれる人」。

どちらが幸せになれるかはこの際置いといたして、私は絶対に二です。

読んでいてイチの魅力が全くわからなかったし(ヨシカが絶賛しているにも関わらず)、自分ばかり頑張らないといけない恋愛は辛いだけ。

その点二はわかりやすい性格で手料理を嬉しそうに食べてくれるし、何より現実的。

こう見えて?結構冷静に分析するヨシカはイチや二と結婚したら…という妄想も繰り広げて実はちゃんと答えを出していたんだと思います。

ラスト、現実の恋愛に向きあうヨシカは愛おしいのですが、ありえない仮病に今後会社はどうするのかと心配にもなりました。

あんな嘘、よく思いついたな…

この嘘はどうかと思いましたが、映画も観たいと思ったくらい面白かったです。

そして、解説を書かれた辛酸なめ子のセリフも印象的でした。

曰く、心は何かを空想しているとき、それが現実なのかファンタジーなのか区別がつかないので、空想で満たされると、そこから進まなくなり、リアルな願望が実現しなくなってしまうそうです。

心理学の本に載っていたそうですが、ヨシカほどとは言わないまでも私も空想好きなので、すごく不安になりました…

この心理学の本も読んでみたい。

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