朝ドラ「ひまわり」や「14歳の母」、「白い巨塔」を手掛けた人気脚本家・井上由美子の小説デビュー作。
あまりドラマを見ない私でも知っているドラマばかりだったため、きっと面白いだろうと思い読んでみました。
本書は老舗大手スーパーの「マルオホールディングス」が舞台のハラスメントを取り上げた経済小説です。
本社のコンプライアンス室の室長として、富山のスーパーから本社へ呼び戻された秋津渉。
実はこの男、パワハラで左遷させられていたのです。
本人ですら謎の異動には、社長のある企みがありました。
次から次へと出てくるハラスメント事件だけでなく、社長の密命やかつて部下で今は上司の脇田との関係などなど、テンポが良く面白くてあっという間に読めてしまいます。
さすが脚本家、ドラマを見ているみたいでした。
実際、ドラマにもなったそうです。
「パワハラ」や「セクハラ」、「マタハラ」や「モラハラ」などはわかりますが、「エアハラ」や「世話ハラ」など、これもハラスメント!?というのが多く出てきて、普通に生きるだけでほとんどがハラスメントに当てはまるのではないかと思ったほど。
ちなみに「エアハラ」はエアコンハラスメント、「世話ハラ」とは世話焼きハラスメントのことです。
「エアハラ」は夏の冷房に毎年悩まされているので、すごくよくわかります。。
どんなに注意していても「それ、〇〇ハラですよ!」と言われそうで窮屈な気分にもなりましたが、秋津の人柄か爽快でした。
これからを生きていくために必要な知識だと思います。
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