こんにちは、ライターの小澤まみです。
我が家には5種類のパズルがある。全て娘の物だ。
特にお気に入りのおもちゃはないと思っていたけれど、娘はパズルが1番好きなようで毎日遊んでいる。
2種類のアンパンマンと1種類のトーマスの30ピースのパズル。これらをごちゃ混ぜにして、3種類一気に完成させるのが娘流の遊び方だ。
難しそうに思えるが、毎日のように遊んでいるのでさすがに覚えて、すぐに完成させてしまう。
55ピースと80ピースのパズルを追加したが、こちらはまだ難しいようで、相変わらず「3種類一気」にせっせと取り組んでいる。

私のパズルの記憶は、小学校低学年の冬にまで遡る。当時、大阪でも雪が降るくらい寒い日が続いたので、父がパズルを買ってきて、家に籠ることになったのだ。
父が買ってきたのは、ラッセンのイルカが描かれた3,000ピースのパズル。
私はイルカやシャチ、クジラが大好きなので、すごく気合が入っていた。絵がきれいなところにも惹かれた。が、色が似ているので難しく、苦戦することになる。
最初の勢いはどこへやら、難しくてやる気がすぐに失せてしまった。でも途中でやめるわけにはいかない。
子どもの頃から真面目な性格が、遊びのパズルでも発揮されて、いやいやながらもパズルに参加していた。
2歳下の弟は早々に離脱。私たちがパズルをしている隣でレゴをしていた。
父はできなくてイライラ。そのイライラが私にも移り、レゴをしている弟にずっと腹が立っていた。私もやる気がないのに、弟だけずるい。
ずっと家に籠り夜中までパズルをしていたので、みんな精神的に極限状態になった。
今なら、そこまで追い込んでやらなくても…と思う。今でも、何故そんなに無理をしてまでやったのかよくわからない。
そんなこんなで、3~4日間かけて3,000ピースのパズルは完成した。
何とも言えない達成感を得たが、このあと誰も「またパズルをしよう」と言わなかったのは言うまでもない。さらに言えば、私は娘が生まれるまでパズルをしていない。
完成したパズルはと言うと、額に入れてしばらく飾っていたが、いつの間にか押し入れにしまわれ、引っ越しの時に処分された。
最後は悲しい結末になってしまったが、この経験から、“パズルはみんなでするもの”だと思うようになったのだ。
みんなで力を合わせて、1つの作品を作り上げる。あの冬の出来事は、たぶん家族にとって初の共同作業だったに違いない。チームワークや、チームを乱す人(弟)がいるということも学べた。
娘とのパズルは私にとって簡単すぎるけれど、完成した時に毎回娘が喜ぶのが嬉しくて、誘われたら一緒にやっている。
「このパズルどこだっけ?」と言うと、「ここ!」とすぐに教えてくれるので頼もしい。
家族で3,000ピースをする日が来るかわからないが、もし来たら、もっと余裕を持って楽しくやりたいと思う。
コメント